電力業界で働いた話

雑記

私はエネルギー、電力、環境の専門家ではなく、関連の教育を受けたわけでもなく、特段関わりたかったわけでもないですが、サラリーマン的なご縁でエネルギー・電力業界に携わることになりました。気付けばエネルギー・電力だけでなく、インフラ関連業界には10年近く関わっていたことになり、これまでのキャリアのうち、多くの時間を関連業界で過ごした事になります。

一応私の専門分野は金融で、エネルギー業界に対して投資という側面から関わってきました。案件の発掘(ソーシング)と投資実行と資金調達(ファイナンス)、案件開発から事業売却、対象会社の人材採用から会社法の手続きまで、投資と事業、会社に関わることはなんでもやってきました。金融が専門と自負していますが、結局何でも屋なのかもしれません。

エネルギー、特に電力を取り巻く状況は、大きく変わってきました。2011年の東日本大震災がその契機の一つと言って良いでしょう。原子力発電所への不信が高まり、最早原子力と再エネに置き換わると思われていた火力発電所が再び中心的な発電手段となりました。発電所を限られた場所、限られた会社に集中させることのリスクも浮き彫りになり、小型の発電所の建設、新規発電事業者の参入と小売の自由化が進み、いわゆる電力自由化が進みました。

加えて再生可能エネルギーが隆盛となります。太陽光パネルが進化し、FIT制度によって投資妙味が増したため、日本国中の空き地に太陽光発電所が作られました。現在は特に洋上風力発電所が注目を集めています。

世界的な脱炭素ブームも再生可能エネルギーを推進する後押しになりました。かつて環境破壊の王様であったダムを必要とする水力発電所は環境にやさしいエネルギー源と考えられるようになり、石炭火力発電所は蛇蝎の如く嫌われる存在になりました。

そんな電力業界にふとした縁で関わりましたが、今は電力業界を離れています。この業界は未成熟で、今なおさまざまなチャレンジを続けている一方、有象無象の人間が入り乱れ、正直者が馬鹿を見る状況も多々あります。政策に振り回されることも多いですが、果たしてそれがこの国のためになるのか、そんなことを考えながら仕事をするには辛い業界でした。正直に言って疲れてしまったというのが一つ、少し離れて冷静に考えたいと思ったのがもう一つの理由で、業界を離れました。

業界を離れて時間が経ち、冷静に当時のこと、電力業界に対する考え方などまとめていきたいなと思っています。

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